Iと蛇 #2

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何となく空を見上げれば、そこは真っ暗闇が広がっているだけだった。 「……うっぜぇ」 誰に対してなのか、何に対してなのか由伊自身も分かっていなかった。 この世の人間全て、宮村以外居なくなればいい。 そうすれば彼は必ず、俺だけを見てくれるのに。 非現実的だと自覚した由伊の想いは、闇夜に溶け込んで消え去っていった。
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