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翌朝、異様な喧騒に目を覚ますと、残念ながらわたしの推測通りに、となりのご婦人は亡くなっていました。
急な心筋梗塞とのことでしたが、特にこれまでそうした症状があったわけではありません。
後で話を聞いてみると、この四日間で亡くなったこの階の患者さん達もみんな同じだったようです。
まあ、この階はみんな、呼吸器系の病を持った人達が入院しているので、まったくあり得ない話というわけでもないのでしょうが、突然に、しかも連続して四人も亡くなったことに、お医者さんも看護婦さん達もひどく動揺している様子でした。
四人の死とあのお婆さんに何か関わりのあるとことをわたしは確信していましたが、言っても信じてくれそうにないですし、昨夜見たことを話すのはやめにしておきました。
その日の午前中、諸々の手続きを終えたわたしは何事もなかったかのように退院し、その後もおかげさまで入院するほどの重症になるようなこともなく、あの病院へは定期的な検査で行くぐらいのことしかありません。
わたしが退院した翌日以降も入院患者の突然死は続いたのか?
あのお婆さんはいったい何者だったのか?
そして、まだあのお婆さんはあの病院に現れるのか?
今もってそれは謎のままです……。
(よーくおやすみ 了)
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