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そのまま教室行ったら、50代くらいのオジさんの幽霊が、女子高生に鼻の下伸ばしてクンクン女子高生の匂い嗅いだりしてんの。
スカートの中を覗けるアングルでしゃがんでみたり。
流石に変態過ぎて軽蔑の視線を向けてしまっていたら、オジさんが俺に気付き、気不味そうな顔をして消えた。
…あ……もしかして…特に害の無い幽霊って、こっちが強く出ると引く…?
『基本的には。だから幽霊に対しては強気でいた方がいい』
成程〜!
そう思うと、やっぱ案外怖くないな?
『だけど傍から見ると睨んでる怖い人とか、態度が悪い人って見られるから、やり方は選んだ方がいいし、結局は無視が一番』
確かに。
害が無いのは無視するのが一番。
と言うか、害が無い幽霊って思うと、幽霊ってこんなに自由に、しかも沢山居るんだなぁ…
怖くないと思ったらなんだか感心してしまった。
逆に寧ろ面白いですらある。
…なんて開き直ってる…いや、ヤケになってる。
大分頭ヤバいって…
でもそうとでも思わないと、こんな状況やり過ごせない。
それはそうと、学校来たら早速動画やSNSの話題だよ。
特に再生数は物凄い事になってて、土日で十数万回再生されて急上昇に載ったし、フォロワーが1万人近くに!
どうも人気VTuberの健太郎が紹介したのがかなり大きかったらしい。
「健太郎の影響力ヤバいね!」
「流石人気者!」
みんなで健太郎を褒めまくると、健太郎はちょっと恥ずかしそうで
「俺が宣伝したのもそうかもだけど…フォロワーがちゃんと増えたのはシノのシナリオが面白そうだし、見応えが有ると思ってもらえたからだろ。つまりシノが凄いんだよ」
「ふおっ!?なんか急に褒められたww健太郎が照れてる可愛いwww」
志信が恥ずかしそうだった健太郎の顔を覗き込んで笑う。
それを見て更にクラスの子達も笑う。
「何可愛いww」
「どっちも凄い凄いw」
「つか学校でイチャイチャすんなー?w」
「健太郎が可愛い内にワシャワシャしとかないと!貴重貴重!」
「シノ、止め…っ」
志信が健太郎の頭を、小動物をワシャワシャするみたいに撫でて戯れてる。
このクラスみんな仲良いからそんなに気にした事無かったけど…
「志信と健太郎って仲良いな〜」
「そりゃ付き合ってるからねぇw」
何気なく呟いたら、隣に居た六花が返事をくれた。
…えっ
「ああっ!この2人付き合ってんの!?」
「そだよ?知らなかった?」
「知らんかった!へ〜!成程!」
同性カップル、普通にクラスに居たんだ!しかもオープンにしてると!
今時珍しくは無いけど、なんか感心してしまった。
「六花は?彼氏は?」
「なんでwww話の振りwww雑wwww
彼氏は居ないけど、彼女は居るよww」
「ファ!?えっ彼女!?」
「別のクラスだけど、芹奈、私のだから、いくらヒナちゃんでも手出したらブッ殺ね」
凄い笑顔で凄い事言われた。
予想外過ぎて流石にビックリしたんだけど!
「マジか!え?ごめん、大分意外なんだけど…!俺のファンクラブとか主導するくらいだから、言い方悪いけど普通に男好きなんだと思ってたww」
「イケメンは観賞用として大好きだよーw私もセリもw付き合うのとはまた別って言うかw」
「そうw分かる分かるw」
「男の子でも女の子でも、美しい、可愛い、格好いいはもう癒やしだよねw」
周りに居た他の子達も六花と俺の話に混ざってきた。
「え…もしかして、まだ同性カップル居たりする?」
「私〜、詩(うた)と付き合ってるよ〜」
って、若干照れ臭そうに手上げてくれた、俺の前の席の菜友花(なゆは)。
詩も同じクラスで、菜友花も詩も同じハムスターぬい仲間。
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