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でも山内先生は俺と2人で話したそうだったので豊達には先に帰ってもらい、望月先生も職員室に戻ってしまったので、部室前に山内先生と2人きりに。
山内先生は、周りに誰も居ないのを確認してから笑いを堪えている様に話し出した。
「ごめんなさい、稲城くん…
メタボさんww本当に太ってないしイケメンで草生えるwwwww」
先生話しながら耐えられなかったらしくて、俺の直ぐ隣を見ながらプフーっと吹き出した。
すると
『だから、メタボライオンのメタボだって言ってるだろ?僕がメタボだからメタボなんて呼び名なんじゃ無い』
とナツさんが返事をした。
あ…あれ…?
「せ、先生、ナツさんが分かるんですか!?えっ!?もしかして元契約者!?」
「いいえ、契約はしなかったの。
って言うか、稲城くんとメタボさん本当そっくりー!メタボさんイケメンwww」
『五月蝿い』
「相変わらず態度塩ww」
「あの、契約しなかったのに何でナツさん…メタボさんの事知ってるんですか?」
「あ、私、高校生の時にナツさんに体貸して何度か真様とデートした事が有ってね?」
「えっ!?真くんと?」
「稲城くん、ナツさんに今体貸してるでしょう?優李くんとデートしてるんですっけ?…フッwwどんだけあの顔好きなのメタボさんww真様過激派かと思ったら…なんだ、ただの面食い…w」
「え…」
『違う!五月蝿いっ』
「まぁいいわそれは。
で、それでね?稲城くん、霊感強くなっちゃったでしょ?」
「あっ!はい?…え?なんで?」
「私経験者だからよく分かるんだけども…
ナツさんみたいなのに体貸すとね、めちゃくちゃ霊感強くなっちゃうのよ…」
「え……ええっ!!?」
山内先生が苦笑いしながら衝撃的な事を言ったもんだから、思わず大声で叫んでしまった。
「マジですか!?じゃあ俺の今の状況、ナツさんのせいって事っ!?」
「そう。高城先生のせいじゃないわ。霊感が強い人と一緒に居るからって、ここまで急激に霊感強くなるなんて、どう考えても可笑しいでしょ?」
「ですよね!?俺も変だと思ってたんですっ!」
やっぱり!
すげー腑に落ちた。絶対季更さんのせいだけじゃないなと思ったら…
「えっ…て言うか、すみません、先生状況把握し過ぎてません?どう言う事?」
「あ、詳細は鳳理事長に聞いたのよ。メタボさんと関わりがあったお陰で、私今冬馬くんの担任なのだけども」
「冬馬くんの!」
「冬馬くんに、「ちょっと陽太さんと話してきてあげてくれませんか?」って頼まれたから…
だからまぁそう言う事なのよ。メタボさんのせいだから、高城先生が気に病む必要無いし、稲城くんが高城先生と疎遠になる必要も無い…って、高城先生のせいじゃないって事は、ご本人には伝えられないのだけども…」
「え、ええ…」
「今ここにメタボさんが居るのは視える?」
山内先生がそう言って俺の隣を指差したのでそちらを見たけど、そこに誰か居るようには視えない。
ただ…
「視えないです。でも、誰か居るって気配はなんとなく分かる気がする…」
「そうよね。稲城くんは私の時よりも頻繁に体を貸している様だから、もしかしたらもう数日もすればメタボさん達みたいな使い魔さん達も視えるようになるかも…」
「本当に!?…えー…っ」
と言うか、寧ろこれだけ幽霊視えるようになったのに、ナツさん達みたいなのを視るのはまたレベルが違うって事?
つまり、この先今より更に霊感強くなるって事…
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