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「つか、先生はなんでナツさんに体貸したから霊感強くなったんだって分かったんですか?ナツさんから説明が有りました?」
「いいえ。あ、て言うか、今更だけど稲城くんはナツさんって言うのね?じゃあそっちに合わせようか。
ナツさんからの説明は一切無かったわ。霊感が本格的に強くなったのも、ナツさんに体を貸すって事をしなくなって、交流が無くなった直後だったし…
教えてくれたのは、ナツさんの上司だっていう神様ね。
「部下がご迷惑をお掛けしました」ってわざわざ謝りに来て下さって、霊感がこれだけ強くなってしまったら、自分で浄霊が出来た方が良いだろうからって、修行に丁度良い霊格の高い巫女様がいらっしゃる神社を紹介して下さって、そこで数年修行してね…」
「へー!」
「せっかくなら稲城くんにも紹介してあげたかったところだけど…残念ながら2年前にその方亡くなられちゃってね…もう80過ぎのご高齢だったから…」
「あー……そうなんですね…」
「まぁでも、稲城くんは高城先生が居るから大丈夫かしらねw高城先生も別の場所でみたいだけど修行された方らしいから、浄霊もひょっとしたら教えて下さるかも?
それはそれとして…
稲城くん、高城先生から霊避けのネックレス貰ってるでしょう?」
「あ、はい!」
「ただの霊避けだからナツさんに特に害は無いんだけども、それでも体を貸してる時にはネックレス付けてるとナツさんは具合が悪くなるから、体を貸す度に邪魔で外されちゃうと思うの」
「ゲッ…それで外してたんですか?ナツさん?」
「なんですって。
結構毎週くらいで貸してるでしょ?」
「そうですね…」
「流石に毎週、高城先生にごめんなさいして霊避けの念込めてもらうのは、ちょっと高城先生からの心象良くないでしょうから…」
「ですよねっ?この間だって貰ったばっかりで頼むの申し訳無くて…」
「だから、次から私がネックレスに霊避けしてあげるから、ナツさんに体貸す時は連絡して」
「いいんですか!?めちゃくちゃ有り難いですつ!!」
「勿論。こんなんで高城さんと拗れても嫌でしょうしw
LINE交換出来る?」
「はい!勿論」
めっちゃ有り難い申し出!
直ぐにスマホを取り出して、その場で先生と連絡先を交換した。
「にしても…すげー話戻りますけど、真くんとデートしたって事になるんですよね?先生…
いーなー!めっちゃ羨ましい!」
「えぇぇぇ…っそう…?優李くんでも十分過ぎるくらい凄いと思うけど…w
と言うか、真様ファンに殺されるんじゃないかって、真様とデートしてたって後で知った時は本気で怖かったけども…その頃デビューしたてで…でも凄い人気だったし…」
「まぁ…それは…w
…ん?デート“してたのを後で知った”??なんで?」
「え?なんでって…意識無いじゃない?」
「えっ?」
「体貸してる時、意識飛ぶでしょ?朝貸したら、気付いたら夜とか夕方とかじゃない。
その間意識無いから、何してるのかなんて全然分からないし」
「えっ!?嘘っ!?俺フルで意識有りますよ!?
ずっと優李くんとのデート見せ付けられてる!」
「え?そうなの?なんで?毎回?」
「毎回です!」
「私も1回だけデート…と言うか、遊びに行くのに意識有って貸した事有るけど、それ以外は全部知らない内に事が済んでたけど…」
「俺の意識が無い状態だと、ナツさんが体動かせないって…」
「そんな事無い無いww私は殆ど意識無い状態でしか体貸してないものw」
「マジかよ!?ナツさん!話が違うじゃないですか!?」
「………凄いw明後日の方向向いてしらばっくれてるわ…w」
問い掛けたのに黙りだよ!しかも先生の話から答える気無さそうな様子がよく分かったし。
なんだよ!じゃあ俺本当にデート中起きてる必要無いんじゃん!!
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