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な〜んか本当…変に面倒な事に巻き込まれちゃったなぁ…
生かしてもらえた事には感謝だけどさぁ…
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未来の奴、久し振りに会ったかと思ったら余計な事言ってくれやがって…
未来が言った通り、陽太の意識が無くたって陽太の体を操る事は出来る。
でもそれじゃあ陽太に優李を見てもらえなくなるから駄目なんだ。
思惑までバレちゃったし…やっぱり、早急に陽太と優李をもっと近付けよう。
陽太には朝戻ると言ったけど、夜コッソリ寮に戻る。
暫く室内で様子を見計らい、陽太がベッドでダラダラスマホ弄ってたタイミングで、陽太の意識を隠して体を借りた。
取り敢えずやりたい事が2つ。
スマホを持ったままベッドの上で体を起こす。
そして
「豊ごめん、ちょっと2箇所電話する」
「ん?はいよ」
豊に先に断りを入れてから、陽太のスマホで電話番号を打ち込んで電話をかける。
真の所属している事務所に。
現在9時前。だけど今薫が事務所で残業してる。
でも電話に出てくれたのが別のスタッフだった為、稲城陽太だと名乗って薫に電話を代わってもらった。
『陽太くん!どうしました?』
「遅くまでお疲れ様です。こんな時間にすみません…」
『いえいえ』
「あの…色々考えて季更さんとも話し合ったんですが…
俺、やっぱり俳優に挑戦してみたいと思って」
「ブッ!!ええっ!!?」
『えっ!?本当ですかっ!?』
陽太のフリしてそう言ったら、二段ベッドの上に居た豊が叫びながらガタンッと飛び起きて、直ぐにベッドから降りて来た。
更にスマホに耳を寄せて聞き耳を立てる。
薫も驚いたよう。
『本当にいいんですか!?』
「はい。せっかく声掛けていただけて、こんなチャンスもう無いでしょうから…」
『えーっ!それは凄く!こちらからも是非とも!!
えぇっ本当ですか!これは嬉しい!ヤバい直ぐ金田さんに連絡しないとっ!
そしたら、またご両親も踏まえて正式なお話しに伺いますので、諸々調節してこちらからまた改めて連絡させて下さい』
「はい。宜しくお願いします…あっ、連絡、ナツさんが明後日そちらに行くと言ってましたので、ナツさんに伝えていただければ…」
『ああ、分かりました。その方が話が早いですかねw
あ、では、可能でしたら明後日までに、今月のご両親のご都合の良い日を伺っておいていただけませんか?』
「分かりました。聞いてナツさんに伝えておきます」
さて…薫にそんな話にしたけど、これで薫が帰って桜井に伝えれば、僕がやらかした嘘だって事はきっと直ぐにバレる。
寧ろきっとうちの上司かアルト様がこのやり取りをリアルタイムで見ていらっしゃった可能性すら有る。
陽太の意思をガン無視したこの事態。この後上がどう動いてくるか…
薫との通話を切ったら、豊が興奮気味に話し掛けてきた。
「お前芸能界デビューすんの!?」
「うん?この間、小椋さんじゃない方の真くんのマネージャーにスカウトの声掛けてもらって…」
「ええっ!?マジで!?すげーじゃん!!
あれっしょ!?プロデュースしたタレントが絶対ブレイクするって有名な金田さん!?」
「そうw
一回断ったんだけど、やっぱやってみたいなぁって…」
「すっげーっ!や、お前ならマジで人気出るよ!
えっ超楽しみなんだけどっwww」
「あ、でも、どういう風になるか全然分からないから、色々決まるまで他には黙ってて」
「ああ、了解!」
「あとごめん、もう1件電話する」
「はいよ。どこに?」
「実家」
「あ、なんだ、実家かw」
そう言って豊は自分のベッドに戻ったので、陽太の実家にそのまま電話をかける。
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