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や、みんなは大丈夫でも…
優李くんの取り巻きからのあれが……
特に輝希くんとか…
そうだよ、その人達避けに、学校では会わないようにしてたのに、なんで…しかも単独で来た?
しかも優李くん来たって、誰かが廊下で騒いだ様で気付いたら他のクラスの子達も見に来てて、教室周りカオス。
これは早く自分の教室に戻ってもらわないと…
「つか、優李何しに来たの?」
「あ、そうそう!親戚のオジさんに、陽太先輩の写真何枚か撮ってくるように頼まれたんだ」
「親戚のオジさん?」
「親戚のオジさんって…まさかMakotoくん!?」
「違うけど、近い?かな?w
だから陽太先輩ちょっと写真撮らせて〜」
「あ、うん?」
「先輩、ちょっとこれ、写真撮ってもらっていいです?」
「えっ!?あっはいっ!!?」
優李くんがそう言いながら傍に居た咲希に自分のスマホを手渡す。
同時に周りから悲鳴と、咲希が赤面してガチガチに…
優李くんはそんなのお構いなしに、俺の方に向き直り
「じゃあねぇ、陽太先輩こっち向いて、腕こうして、脚こう…」
「こう?」
「うん、そーそー、そしたら、カメラ意識しないでいいから、なるべくカッコつけて、顔キリッと」
ポージング指定してくるっていう…
取り敢えず早く帰らせたかったから大人しく言う事聞いて言われた通りに。
そしたら優李くんが俺と背中合わせに立った。
「じゃあ先輩、これで取り敢えず数枚撮って下さい」
「あっあっえっ!?はいっ!!!」
咲希がテンパりながら数枚写真を連写。
すると更に
「陽太先輩今度はそこからちょっと崩して、いい感じのポーズとって」
「えっ!?」
「カメラマンの先輩、そのままアングル変えつつ写真撮り続けて下さい」
「はいぃっ」
素人になんつー無茶振り!?
でも要はファッション誌的な事?
なので優李くんに合わせてそれっぽいポーズイメージしてたら、突然絢斗が
「優李くんっ!俺も撮っていい!?」
と言い出して
「いいですよー、ネットにupされなければw」
と優李くんが返事をしたので、一瞬で皆スマホ構えてその場が撮影会場と化してしまった。
そこから更に優李くん指示の元色んなポーズで写真を撮られるハメになり、ギャラリーは廊下に溢れ返り…
予鈴が鳴って漸く
「やばw楽しくなり過ぎちゃったwwカメラマンの先輩ありがとー!お邪魔しましたーw」
と、優李くんがスマホを咲希から受け取って2年の教室を出て行った。
咲希がパニックで発狂してた。
「優李くんのっ!!!スマホをっ!!!!触ってたんですがっ!!!?この手がっ!!!何コレ何のご褒美!!!!??」
「咲希!!握手しよ!?」
「ええっ無理無理っ!!どうしようこれ!?手洗えないっ!!」
「待って最高過ぎたんだけど!?写真っ!!」
「優李くんとヒナちゃんの2ショット!!ヤバ過ぎる!!!」
「陽太お前芸能人なった方がいいよ!!」
「ねーっ!写真撮れた人送って!!」
教室内外から大興奮で大混乱な声が飛び交う。
朝練に行っててなんとか人を掻き分けて教室に入って来た豊に
「あれ、結局話がみんなに知れ渡った感じ?」
と耳打ちされたので、意味が分からず
「いや?」
と思わず言っちゃった後で
「え?なんの?」
と付け足したんだけど、周りが賑やかだったので聞こえなかったのか
「そういう訳じゃ無いんだ?了解」
と、意味が分からないまま話が解決されてしまった。
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