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あと、これに乗じて更にナツと優李を近付けたいから、高城はちょっと耐えてほしいって。
なんならナツの思惑にハマったフリして軽く拗れたフリしてくれると有り難いと…』
「…いや……ちょっと…なんだその頭の痛い話…」
マジで神、無茶苦茶言い過ぎだって…
でも確かに、神が動いてくれない限り、陽太が把握してない事に俺も勝手な事が言えない。
ナツに陽太を見捨てられる方がヤバい…
だけどさぁ…!陽太絶対人気出るじゃん!?
妬かないとか無理だけど!?
例えフリでも、わざと拗れるとか…俺はわざとって分かってても、陽太は真に受けるじゃん!
『あ、それと、別件で今度の土曜日に日向屋に、イケメン過ぎる店員って、陽太の事を取材にテレビのロケが来るって』
「え!?」
『昨日実家の方に連絡がいって、父親が陽太の承諾無く引き受けちゃったのと、その話を陽太のフリしたナツが聞いたから、これも陽太本人が把握してない』
「はぁ!?」
『陽太は土曜日に実家帰ってから知る事になる』
「おいっ!」
『これも、高城は知らなかったって事で宜しくって』
「…だ〜…っ本当…ちょっと……もう…」
色々内容が頭痛過ぎて、リアルに頭を抱えてしまった。
陽太は生かされている身…
神が決めた事…従うしかないのは分かるけど…
マジで最悪過ぎる…っ
_____
優李くんが急に教室に来て写真撮影会が有った…
それ以外は特に問題無く平日季更さんに結局会えなかったまま、あっという間に金曜日。
今日から数日高校総体で豊達運動部連中が朝先に寮出てったので、俺はいつも通りな時間に登校するのに部屋を出ようとしたら、突然室内にエメラルドグリーンの長髪の男性がスッと壁を擦り抜けて入ってきたので、ビックリして固まってしまった。
寮に幽霊は入ってこられない筈なのに…!
そしてその男性と目が合った途端、男性も驚いた顔をして立ち止まった。
あっ……待って、この顔…
「ナツさんっ!?」
理解が追い付いてつい叫んだら、男性が眉間に皺を寄せた。
『もう視えるようになったとか…早過ぎでしょ…動き辛…』
「や!アンタのせいだろうがっ!」
『僕の事視える様になったからって、外で声出して話し掛けるなよ?』
「あ…」
そう言った瞬間にフッとナツさんが消えた。
すると今度は学校の鞄の中から声が聞こえて来た。
『早く学校行ったら?』
って。
凄い。視える様になったら鞄の中のグリから声が聞こえてるっていうのがよく分かる。
や、それにしてもビックリした。
ナツさん本当に今の俺にそっくりじゃん。
と言うか、昨日まで全く視えなかったよ?本当に今日になって急に視える様になったって言う…
それはつまり、昨日より更にちょっと霊感が強くなってしまったって事なんじゃ…
という事に気付いてゾッとした。
しかもそんな時に限って豊も絢斗も大河も大会で居ない。
少し小走りで寮の出口まで行って、同じく寮から登校する運動部じゃない2年の子達を発見したので、しれっと一緒に登校させてもらった。
本当、寮の2年生全員と仲良くなっといて良かった!
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