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お陰で、普段通り視える幽霊は多かったけど、取り敢えず何事も無く学校に到着。
今日は運動部が殆ど居ないのでほぼ自習で半日授業。
なんか母に明日早く来るように言われてるので、半日で終わるし明るい内に実家帰る事にしてある。
ぬいのコマ撮りもやる様なので、取り敢えず学校で昼食べてちょっと参加してからの予定。
授業終わってコマ撮り前に残ってた子達と教室で昼食を食べている途中、ふと窓の外に目をやったら、尾の長い凄く綺麗な青い鳥が外の木の枝に止まって此方を向いていた。
「うわ…凄い綺麗な鳥…」
「鳥?」
「どれ?」
思わず呟いたら、一緒に飯食ってた子達も皆窓の外に視線を向けた。
「綺麗な鳥……鳥?」
「どこに?」
「鳥なんて居るか?」
「え?ほら、あそこの木の枝に止まってるじゃん?尾の長い青い鳥……あっ、飛んでっちゃった…」
「ええ?」
「えー分かんなかった!」
「え?あんな目立つ鳥だったのに?」
尾も長くて割と大きめな鮮やかな青い色した綺麗で明らかに目立つ鳥だったのに、何故か誰も見えてなかったかの様な反応…
『ああ、あれ、冬馬様の式神だから。僕と同じで、よっぽど霊感が強い人間じゃないと視えない』
不意にナツさんの声が直ぐ後ろから聞こえて、振り返ったらナツさんが普通にグリから外に出て来てた。
姿が視える様になると、ナツさんだって分かっててもちょっとビックリするな…
つか、さっきの鳥、冬馬くんの式神なんだ!
式神ってあんなのも居るんだ!通りでめちゃくちゃ綺麗な鳥だと思った!
なんてちょっと感動してしまっていたら、今度は教室の出入口に誰か来た様な人の気配…
扉の方を見ていた子が直ぐに叫んだ。
「優李くんっ!!」
「きゃあっ!!!」
「お昼中お邪魔しま〜す」
良かった、幽霊とかじゃなかった。
女の子の黄色い悲鳴と共に、ニコニコしながら教室に入って来た優李くん。…と、男の子が2人。
1人は優李くんより少し小柄で垂れ目なイケメン…
わ〜お…入学式の時に会った子だ…あれだ、輝希くんと共に要注意な稔くん。
もう1人は身長俺と同じくらいの黒髪眼鏡のインテリ系イケメン。
誰だか分からないけど…
『神尾数馬、優李の幼馴染みの1人』
おっと…これが冬馬くんや理事長が言ってた数馬くんか…
輝希くん、稔くんと共に、俺が気を付けた方がいい子…
にこやかな優李くんと反して、稔くんも数馬くんも完全に仏頂面……と言うか、俺の事を睨んでいた。
怖過ぎる…
ここに輝希くんが居ないのは、あの子確かバスケ部だからか…
優李くん達はこちらに寄って来ると、稔くんが真っ先に俺に声を掛けてきた。
「稲城先輩?初めまして」
って…挨拶してくれたけど、表情が無で怖い…
その稔くんの挨拶に、クラスの子達が不思議そうな反応をした。
「はじめまして?陽太、優李くんや冬馬くん知り合いなのに、稔くん初めて?」
「あ、ああ…俺その2人しか元々面識無かったから…」
「あ、そうだよね?彩花部長も輝希くんも初めましてだったもんね?」
思い出した様に料理部の咲希がそう言った。
あっ…と…挨拶返さないと…
「じゃなくて…えっと、はじめまして、稔くんと、数馬くん?」
「ええ、初めまして」
そう返してくれた数馬くんの顔も俺の事めちゃくちゃ睨んでて本当に怖い。
優李くん、マジで何しに来た…来るなら優李くんだけで来てくれればまだ良かったのに…
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