異変

38/52
前へ
/169ページ
次へ
ところで… 「せっかく久々に家まで来てくれたんだからハグしよ!ナツさん!」 『え、無理。僕に触れもしないクセに何言ってるんだか』 両腕開いてナツさん抱き締める態勢取ったのに、ナツさんに鼻で笑われただけでのってきてくれなかった。 しかも 『じゃあ陽太の所に戻るから』 って帰っちゃったし。 本当ナツさんはつれないな〜… _______ 優李くんがナツさんと一緒に帰ってくれてからは、予定通り結構ガッツリコマ撮り撮影に参加出来た。 動画、フォロワーも再生回数も日々増えてくし、みんなが楽しんでワイワイやってるので俺もこれ凄い楽しい! 下校時も一緒に寮に帰る子が居たので、相変わらず幽霊は視え過ぎなくらい視えるけど特に難は無く… 寮帰ってから着替えて実家帰ろうとしたところに、丁度ナツさんが帰って来た。 え、もう帰って来た。早! 『実家帰るんでしょ?』 帰るけど…優李くんの所でもっとゆっくりしてくれば良かったものを… 『もう十分ゆっくりしたからいい』 えー…?全然だと思うんだけど… でも戻って来てしまったものは仕方無いので、ナツさんと一緒に実家に帰る。 学校出てからずっと思ってたんだけど、ナツさんや他の式神さん達の事も急に視える様になったから… 幽霊も街中に沢山居るけど、式神さんっぽい方々、街中にすげー居るじゃん…! ナツさんに聞いたら、色々な仕事してる方が居るらしい。 それと、学校の最寄り駅までって本当普通の幽霊…人なのか幽霊なのか分からないくらい自然な幽霊しか居なかったから、大して怖くもなかったのに、電車乗って段々最寄り駅を離れてくにつれ、“いかにも!”な幽霊が沢山居て流石に怖くなってしまった。 えぇ…っなんでこんな… ちょっとこれ……なんで? 学校の最寄りすげーイージーモードじゃん…! 待って、街中歩くの怖過ぎる!! だから電車降りてから人をすり抜けて全力疾走で実家まで帰った。 …って所までしか、記憶が無い。 ____高城_   金曜日の夜、陽太から連絡が来ない。 一言も無いのは俺が高城だって気付いてもらえてから初なんだけど… どうかしたか? 何度かLINE送ったけど既読にすらならない。 金曜日の夕方から実家に帰るって言ってたから、もう実家に居る筈なんだけど… 暫く待ってみたけどそれでも連絡が無かったのでちょっと透視してみたら、陽太は既に寝てて、ベッド脇でナツが座り込んでスマホ?弄ってた。 まぁ…もう寝てても可笑しくはない時間…ではあるんだけども…? 別に具合が悪そうとかはないな? 近くに寄ってみたけど顔色は悪くなさそう。普通に寝てるし。 じゃあなんで既読にもならないし、一言も送られて来なかったのか… 陽太の様子を確認出来た所で透視を止める。 すると丁度良いタイミングで死神が家に来た。 「お?どうした?呼んでないけど」 『うん、勇人様から伝言』 「おお?」 『明日陽太の所にテレビの取材が行くって言ったじゃん?』 「うん」 『で、明日の閉店後に、事務所の偉い人…真のマネージャーもやってる金田って奴と、陽太のマネージャーになる予定の奴とで稲城家に出向いて、正式に契約するって』 「……それも明日なのか…」 『それで、もう色々説明面倒だから、全部が終わってからナツが陽太に説明するらしくて』 「えっ…」 『夕方からナツが陽太の意識落として陽太の体を操ってる』 「…っあー…それで連絡無かったのか…」 つか、ナツがやってる事酷過ぎねぇか? 陽太の人権完全無視。 ここまで黙認すんのかよ、神様…
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!

119人が本棚に入れています
本棚に追加