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小さな頃から母の脅威にさらされた生活を送る私には、母に逆らわない事が最善の策だった。
子供は親を選べない。
そして、父親がいない私にとって母親は唯一の親。助けを求める術さえ知らない無力な子供には、どうしようもない事が多かった。
母親に怒られると、自分が悪い子だから怒られているのだと少し前までは、信じて疑わずにいた。
しかし、自我が芽ばえた今となっては、母親は気分屋で理不尽であると理解した。
それでも逆らえないのは、逆らえば何倍もの暴力となって、返って来る事を身を持って知っているからだ。
だから私は待っていた。
小さな子供がサンタクロースからのプレゼントを待っているように。
御伽噺の中で虐げられた主人公に王子様が現れると夢を見ていた。
いつか神様が願いを聞き入れてくれると信じていた。
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