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「なかなか無いだろう。こうして一緒に寝る機会なんて」
「まあ……」
すると、ジェダが私の頬に触れたかと思うと、こう呟いた。
「おやすみ。コト」
「おやすみ……」
返事をしたところで、私はハッと閃く。
(今なら謝れるかも)
「あのね、さっきは……」
私が口を開いた時、ジェダの頭の上に小雪が乗ってきた。
ジェダは「ゔっ!」と苦しそうな声を上げたのだった。
そんなジェダに、私はつい声を上げて笑ってしまったのだった。
「もう、小雪ってば……」
私は起き上がると、ジェダの顔の上から小雪を引き剥がす。小雪は私達の間から布団の中に入ると、そのまま丸くなったのだった。
「大丈夫。それより何だっけ?」
「さっきは、その……突き飛ばしてごめん」
ジェダは一瞬戸惑ったようだったが、すぐに首を振った。
「さっき? ああ、あれはあまり気にしてないから……」
どこか歯切れの悪いジェダの言葉に、ますます不安になる。
「でも……」
「じゃあ、一緒に寝てくれたら許してあげる。もっとこっちにおいで」
そろそろとジェダに近づくと、すぐに抱き締められる。
「やっぱり、コトは甘い香りがするね」
「もうっ!」
すると、私達に挟まれて苦しくなったのか、小雪が布団の中で鳴いた。
「いたっ!」
小雪に引っ掻かれたのか、ジェダは小さく悲鳴を上げて、私はまた笑ってしまった。
そんな私達の声は、軽快な音楽と混ざり合って、室内に響き渡ったのだった。
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