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「ははは……あの時は本当ごめん。周りにも、コトにも迷惑かけたし」
「私は大丈夫。それより、今夜はここで寝てもいい? 暗いからかな。なんだか一人が心細くて……」
「俺は良いけど……。もう休むの?」
「ありがとう。寝るには少し早いけど、今日はもう何も出来ないし、だったらホームシアターを見ながら寝ようかなぁって」
「じゃあ、俺ももう寝ようかな。特にやる事も無いし」
私の部屋からジェダが毛布を持って来てくれるというので、私は部屋で待たせてもらう。
すぐにジェダは戻って来ると、毛布と一緒に何故か私のスマートフォンも手渡してくる。
「スマホ?」
「リビングで光ってたから」
画面を確認すると、どこかで停電の話を聞いたのか、実家の両親からメッセージと着信が届いていた。
「誰から?」
「うちの親。停電の話を聞いて、心配したみたい」
メッセージには、私とジェダを気遣う文章が書かれていた。
私は両親に大丈夫だと返事をすると、すぐにスマートフォンを消してしまう。
停電している今は、なるべくスマートフォンの電池を温存しておきたかった。
「優しいご両親だね」
「うん……」
両親には既にジェダと同棲している事や、恋人になった事を話している。
ジェダと一緒に住むようになってから、何度かジェダを連れて帰省しているからか、今では私達の関係はすっかり家族公認の仲になっていた。
ジェダは部屋に敷いていた布団に入ると、「おいで」と手招きしてくる。
「いいの? 私が寝ると狭くなるよ」
「暖房が使えないから、一緒に寝た方が温かいと思うよ」
ジェダの言葉に甘えて、私も布団に入る。
肩が触れるくらいに近づくと、また天井を見上げたのだった。
「たまにはこうして寝るのもいいね」
同じようにジェダも天井を見上げながら話しかけてくる。
「うん。ホームシアターを見ながら寝るのもいいよね。子供の頃に戻ったみたいで」
「そうじゃなくて、恋人とこうして寝る事だよ」
ジェダの言葉に、私は傍らを振り向く。
夜目が効くジェダは、振り向いた私に気づいたようで、こっちを見てきた。
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