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玄関の前に立ち
ドアを丁寧に開ける
もちろん出迎えてはくれずに
廊下を挟んだ部屋のドアが開いていた
靴を揃えて小さく「お邪魔します」と言って入る
部屋に入るとパーテーションの裏側のソファに
響が座っているのがわかった
「来ないかと思ってた」
そう言って笑った響の顔は
冷たくとても儚げで美しかった
「話があるの」
ふーんと言うとソファーから立ち上がり
私の前に立ち
私のことをなんでも見透かす彼が言った
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