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アタシ
山那 此花
「あ、向こうの温室には何があるの?」
アタシはイブリスさんを見上げて
温室を指差す。
魔王
イブリス・ラアル・ヘレンシオ
「あそこでは、あらゆる薬草を育てている
病気になっても大丈夫だ。
なんでも治せるおかげで
ワタシは病気知らずだしな。」
へえ!
アタシ
山那 此花
「入っちゃダメ、だよね?」
イブリスさんの赤く輝く瞳が
こちらに向けられる…
魔王
イブリス・ラアル・ヘレンシオ
「そうだな…ヒトの出入りは極力避けたい。
なにせ、薬草はデリケートだ
見知らぬヒトが入ったら…
枯れてしまうかもしれないんだ。」
アタシは小さくため息をつく。
アタシ
山那 此花
「ん~そっかあ、ザンネン!」
イブリスさんはアタシの正面に
音もなく回ってきて
うつむいてたアタシのアゴを
くいっと持ち上げてきた!
魔王
イブリス・ラアル・ヘレンシオ
「ククク…ワタシの匂いがつけば
温室に入っても大丈夫だと思うがな…」
金縛りにあったみたいに動けない…っ
アタシ
山那 此花
「そ、それ…どういう意味よっ!」
金縛りを振りほどくように
強がって大きな声を出すっ
魔王
イブリス・ラアル・ヘレンシオ
「オマエの体を味わわせてくれれば
ワタシの匂いもつくはずだ…と言いたいのだ//」
耳元で囁かれてゾクゾクしてしまった…//
アタシ
山那 此花
「う~//この、変態野郎っ!」
仮面をひっぺがそうとしたら
一瞬で距離を置かれたっ
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