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一方で主人公はシナリオを書き、映画を作っていく。
彼女の作る作品もまた、現実になるのだ。
彼女は大きくは世界を変えない。
少しずつ、世界を修復していく。
彼女は、姿を消した青年の後を追いながら、彼が壊した世界を繕っていくのだ。
何なんだ。この物語は。
凄まじい吸引力で私を引き込んでいく。
流れる音楽、劇中作の挟み込みの巧さ、映画の中の現実と非現実の対比、全てが新しかった。
それでいて、激しい既視感をともなって私を引きずり回す。
物語が進むにつれ、私はあることに気がついた。その疑惑はやがて、私を強く動揺させ高揚させた。
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