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強い光は
到着したのは、真っ白な部屋だった。
充満する消毒液の匂いで、病院だとすぐに判明した。
「では、私はここで。果凛さんが目覚めたら悲鳴を上げてしまうので」
おじぎをした星頭の腕を掴んで引き留めた。
「どうしてあの日、私の願いを叶えたんですか?」
これだけは聞いておきたかった。
1週間が終わったら恨みがましく聞いてやろうと思っていたのに、今は感謝の気持ちと五分五分くらいになっている。
「美潮さんの魂が叫んでいたからですよ」
なんとも抽象的な回答だ。果凛さんの異変に気づくためとかそういうもっともらしい理由じゃないところが、この流れ星らしい。
「だから今日も叶えてくれたんですね。ありが……」
お礼を言う前に、なんだかんだ優しかった流れ星は消えていた。
もちろん最後まで強烈な光を発して。
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