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そうこうしているうちに、次郎も文も60を越える年になっていた。
そんな頃、詩がいきなり結婚したいと言う相手を連れて来た。
次郎はあたふたしたが、詩が婿養子に入っても良いと、言う相手を探していたことを初めて知ったのだった。
詩は、32歳になっていたが、今どき遅いも早いもないわよなどとケロッとしていた。
次郎は別に嫁に行っても良かったのに……と口では言っていたものの、やはり嬉しかったようだ。
次郎が文に婿のことは、知っていたのかと聞いたとき、文がこう言う話は決まるまで男親は蚊帳の外になるものなのよとサラッと言われてしまい複雑な顔をしたのを文が笑った。
結婚話はとんとん拍子に進み、詩は結婚して近くのマンションに住むことになった。
文が遠からず近かからずが一番良いのよと提案したからだった。
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