14人が本棚に入れています
本棚に追加
かみなりさまの採点
高田先生と雅史君が仲良く帰っていくのを見届けたゴン太は一言もらします。
「良かった」
「ゴン太、お前も中々やるじゃん」
「へへへ」
「さ、これでかみなりさまはオイラ達をどう思うかな」
ガン太がそう言うと突如光が差し込み、その光の中からかみなりさまが現れました。
「ほっほっほっ、見させてもらったぞお前達の夕立を」
「それでどうなんだオイラ達?」
「ふむ、2人共、人の役に立った夕立を降らせて良かったのう、だがこれでは100点満点ではないな」
「どういうこと?」
ゴン太の質問にかみなりさまは答えました。
「高校生の恋や、小さい子供の為に夕立を降らせたのも悪くはない、だがお前達にはもっと世界を広く見て欲しかった。あの望遠鏡を見てみろ」
かみなりさまに促されてガン太、ゴン太は望遠鏡をのぞくとある光景を目にしました。
「あれって、作物が育ってない?」
「そうだ、あの地域は日照りが続きすぎて作物が育ってないんじゃ、作物が育たないと農家の人は生活に困るし、他の人にとっては野菜が高くなり、その人達もまた生活が困るのだ」
作物が農家の人にも、他の人にも大事だという事を強く訴え、更に話を続けます。
「とりあえず、あそこにはわしが何日か続けて雨を降らす。これからお前達はもっと広い世界を見るよう頑張るのじゃ」
「はい!」
「ほっほっほっ、良い返事じゃ。じゃあ頑張れよ」
そう言ってかみなりさまは去っていき、ガン太とゴン太は互いに決意表明をします。
「オイラは絶対にかみなりさまになる。だからもっと人間の世界をもっと良く見るぜ」
「僕だって負けないよ」
「よーーし、それじゃあ競争だ!」
「おーーーー!」
これからもガン太とゴン太は人の為に雨を降らせるでしょう、どっちがかみなりさまになるか楽しみですね。
(完)
最初のコメントを投稿しよう!