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「分かりましたにゃん! では、夏海ちゃんを十五歳のあの日に戻してあげますにゃん」
「えっ! 冗談だよね」
そうだ、冗談に決まっている。だって、過去に戻れるなんてことはあり得ないのだから。でも、もし本当に願いが叶うのであればあの頃に戻りたいと思う。
「冗談ではありませんにゃん。では、夏海ちゃんご飯をどうぞ」
茶和ちゃんはそう言って大盛りご飯を差し出した。
「これ食べるの?」
「はい、まだお腹空いてますよね? このてんこ盛りご飯を完食すると十五歳のあの日に戻れますにゃん」
わたしの目の前にてんこ盛りに盛られたご飯がある。わたしは猫に馬鹿にされているのだろうか。
「食べるわよ。過去に戻れなかったら怒るからね」
「それはご安心をにゃん」
茶和ちゃんはにんまりと笑顔を浮かべた。
「いただきます」
わたしは、過去に戻れるなんて信じてはいないけれどご飯をガツガツと食べ完食した。
すると、体がふんわりと浮いた。
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