平成二十五年沖縄の夏(中身は二十三歳の夏海)

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平成二十五年沖縄の夏(中身は二十三歳の夏海)

わたしは勉強でもしようかなと思い学習机の引き出しを開けた。すると猫柄のノートが目に入った。このノートは確か日記帳だ。中学生のわたしは日記をつけていたことを思い出した。 わたしはなんだかドキドキしながら日記帳を開いた。 ここに書かれている文字は八年前の十五歳のわたしが書いた文字だ。 ノートには今日あったことが書かれていた。学校での出来事、美味しかったお母さんやおばぁの料理。それからお父さんが作ってくれたゴーヤチャンプルー。テストの点数等が書かれていた。 わたしはノートをじっと眺めた。 すると、なんだか懐かしくて不思議な気持ちになった。十五歳のわたしと繋がっているように感じられた。 日記帳のページをめくると『わたしは女優になる』と書かれていた。 女優になる。わたしはドキッとした。駄目だよ。女優になんてなったら駄目なんだからねとわたしは十五歳の自分に伝えたい。 それからページをめくると夏休みの思い出や海助君のことが書かれていた。
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