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「あら、夏海ちゃん出かけるの?」
おばぁが居間からひょっこりと出てきた。手にはサーターアンダギーを盛った籠を持っている。
「うん!」
「そうかいな、おばぁはサーターアンダギーをたくさん作ったよ。揚げたてだから美味しいと思うさね」
サーターアンダギーを一個手に取り口に運びにっこり笑うおばぁ。
「サーターアンダギー美味しそうだね。郵便ポストにオーディションの書類を出しに行くだけだからすぐに帰ってくるよ」
わたしは、ぎゅっと握っていたオーディションの書類をおばぁに見せた。
おばぁはきょとんとして目をパチクリさせた。それから笑顔になり、
「夏海ちゃん、オーディションを受けるんだね」と言ってにっこりと笑った。
「うん、おばぁチャレンジしてみるよ。人生やってみなきゃ分からないもんね」
「そうさね、夏海ちゃん、おばぁはいつでも夏海ちゃんを応援しているよ。頑張るんだよ」
おばぁはにっこり笑い顔をしわくちゃにした。
「うん、ありがとう。いってきま~す」
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