平成二十五年中学生の夏(十五歳の夏海)

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翌朝、目を覚ますとわたしは寝汗をびっしょりかいていた。嫌な夢だった。 目を覚ました今でもはっきりと覚えている。わたしとよく似た女性がビリビリと封筒を破きただの紙くずになってしまったあの封筒が頭から離れない。 わたしは布団から起き上がりオーディション結果の通知の封筒を確認しようと学習机の引き出しを開けた。 「あった~良かった~」 封筒が引き出しの中にあることを確認し、わたしはホッと胸を撫で下ろした。 変な夢を見てしまったけれど、わたしの夢を応援してくれるおばぁや真美ちゃんにそれから海助君もいるのだから大丈夫だ。 わたしは、おばぁの自分に自信を持つんだよという言葉を思い出しにっこりと微笑んだ。
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