平成二十五年の夏(中身は二十三歳の夏海)

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平成二十五年の夏(中身は二十三歳の夏海)

猫柄の日記帳のページをぺらぺら捲ると懐かしいあの頃のわたしと出会えた。夢がありキラキラと輝いていた自分が日記帳の中にいる。 あの頃から八年しか経っていないのにわたしは随分変わってしまった。 キラキラと輝いていた夢や希望をどこかに落っことしてしまったようだ。やはり中学生からの八年は長いよねと思い猫柄の日記帳を眺めた。 だって、大切な夢も粉々に崩れ落ちてしまったし大切な友達だった真美ちゃんともずっと会っていない。それから海助君は……。 幸せな日記を読めば読むほど悲しくなってくる。もう一度人生をやり直したい。 わたしは、猫柄の日記帳をゆっくり閉じた。わたしの人生を変えるのだ。
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