二十三歳の夏海(3)過去と未来が交わる

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「確かに夏海さんはわたしに似ているけど信じられないです。だってそうでしょ? 未来からやって来たわたしですと言われて誰が信じますか?」 確かに夏海の言う通りだ。わたしだって目の前に突然、「未来からやって来たわたしです」と言う人が現れたら頭のおかしな人だなと思うだろう。 「うん、夏海ちゃんの言う通りかもね……」 「そうですよね。じゃあ、夏海さんさようなら」 夏海は手を振りこの場から立ち去ろうとしている。 「ち、ちょっと夏海ちゃん待ってよ~」 「いえ、待ちません。夏海さんさようなら~」 夏海はツインテールの髪の毛を揺らし校庭から出ていこうとしている。 「わたしが夏海ちゃんである証拠を見せてあげるから待ってよ~」 わたしは、慌てて夏海を追いかけツインテールの髪の毛を引っ張った。 「ちょっと髪の毛が崩れますからやめてください。わたしである証拠を見せるって何ですか?」
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