プロローグ

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わたしの目の前でニコニコ笑っている女性は確かに見た感じ料理上手には見えない。 「料理ができるって感じじゃないですもんね」 わたしは正直な気持ちを言葉にした。 「あっ、ちょっとそれは失礼じゃないですか? まあ本当のことですけどね」 女性はぷくりと頬を膨らませた。 「すみません。わたし思ったことを口にしてしまう性格なんですよ」 「そうなんですか。わたしと似ているかもしれないですね。わたしも思ったことを口に出してしまってみどりちゃんに叱られてます。あ、わたしは梅木真理子(うめきまりこ)です。よろしくお願いしま~す」 女性こと梅木真理子さんはそう言って舌を出した。 「あ、そうなんですね。気が合いそうですね。わたしは風海夏海(かぜうみなつみ)と言います」 「では、夏海さん、まりみどカフェ食堂をどうぞご贔屓(ひいき)にしてくださいね」 真理子さんはにっこりと笑った。 「あ、はい!」 思わず、はいと返事をしてしまった。真理子さんて商売上手かもしれない。料理が美味しいからまぁいいか。 とその時、わたしの足にもふもふふわふわの何かがスリスリしてきた。
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