真の世界最強

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真の世界最強

ギルド小猫の元代表、社長?の父親は借金の担保でお金持ち猫好きマダムに連れて行かれたらしい。 「で、なんで借金を? 国からの仕事を受けてるなら普通にやっていれば」 「猫猫詐欺に引っかかって」 は? 「猫猫詐欺とは?」 「美味しい猫缶を猫族に紹介して定期購入者を増やせば、最低でも毎月50万円は儲かると言われ、アホな父は美味しくもない猫缶を味見もしないで1億円分購入したんです。貯金で足りないぶんは、このギルド小猫を担保にして。債権を買い取った金持ちマダムは父親を連れて行きましたけどね」 それ、ネズミ講じゃないのか? 「なるほど。それは父親の自業自得だな」 「はい。おかげでギルド小猫の倉庫には美味しくもない猫缶がぎっしり」 「美味しくもない猫缶は食べないし売れないよな」 「そのとおりです。本当に激マズで死にそうな味でした」 「うんうん」 「だよな」 マカロン、猫缶を食べたのかよ。 「俺のバイトリーダーの力で、美味しくもない猫缶を激ウマ猫缶に変えてやる」 「ええ! 物質変換!? で、でも、そんな魔法術を美味しくもない猫缶20万個に使ったら、触媒が2億円くらいかかって全部売れても赤字になりますけど」 そうなのか? さらに、美味しくもない猫缶は20万個もあるのかよ。 しかし、ここは俺の夢の中。俺は何でも自分の思い通りになるのだよ。 「俺は世界最強レベルじゃなくて、真の世界最強バイトリーダーだ。俺くらいのレベルだと、魔法術に触媒など必要ない」 「「えええのえー!?」 「美味しくもない猫缶20万個を激ウマ猫缶20万個に変えるくらい、1秒で終わる」 「「マジですかー!?」」 「ああ」 なんか、さっきからマカロンが手をあげてるが、何か言いたいのか? 「マカロン、何か言いたいのか?」 「はい。真の世界最強の兄貴。兄貴を疑うわけでは無いですが、その証拠を見たいなーって思います」 証拠? 「バイトリーダーの胸には序列を示す星のマークが浮かび上がるあれね。世界一なら星が1つの」 「そう、それ」 そんなものが胸に。それ、序列40位なら胸に星が40個なのか? うわー。想像したらやべえな。 まあ、胸に星1つなら我慢できるか。 勤は自分の胸に星1つをつけることにした。 (バイトリーダーの序列星。俺の胸に1つ) 自分の胸を服を少しずらして確認する勤。よし、ちゃんと星が1つある。 上着をぬぐ勤。 「ほら、これが証拠だ」 「確かに」 「初めて見た」 「私も」 上着を着る勤。 「美味しくもない猫缶を激ウマ猫缶に変えて売りまくるぞ」 「「あ! はい!」」 「はい」 マカロンも売り子をするのか? 「倉庫に案内しろ」 「「はい」」 ・・・・・ 【序列1位のバイトリーダーが魔法術で作った激ウマ猫缶 1個1000円】 仕入れ値は1個500円だから全部売れたら1億円の儲けになる。 「売り上げ2億なら、金持ちマダムにすべて払えば父親は返してくれるだろ」 「「え?」」 「それでは無理なのか? 3億円とか?」 「いえ、父親なんていりません」 「うんうん」 「は?」   「年に一度は何かやらかしていたので、母親も私達も困ってたんです」 「うんうん」 「なるほどな」 「どっかに捨てたいと思ってました」 「うんうん」   捨て猫かよ。 「なら、借金は父親を担保で取られて0なんだな?」 「「はい」」 「と、すると。売り上げ2億円は丸儲けか」 「「はい」」   またマカロンが手をあげてるな。 「マカロン、発言を許す」   「ありがとうございます。あの、俺にはあまり関係ないですけど、兄貴にはいくら払えば?」 「あ、本当だ。それを忘れてた」 「私も」 「俺の取り分か。俺は月給制にしてくれ」 「「はい?」」 「月給制は無理なのか?」 「いえ、あの、バイトリーダーを護衛に雇ってる超大金持ちは、月に10億円払ってるとか。そんなに払えないです」 「絶対に無理」 そんな金、どうやって使うんだよ。 ここは俺の夢の中。本当は金なんかいらないんだけどな。 「月に30万円は払えるか?」 「「さ、さ、30億円!?」 「兄貴、それは無理だ」 「よく聞け。30、万、円、だ」 「「ええー! たったの30万円!?」 「そうだ」   「本当にですか? バイトリーダーバイトリーダー詐欺じゃなくて?」 どんな詐欺だよ。 「俺は触媒無しにほとんど何でも出現させられる。家を借りる金くらいあれば十分だ」 「「流石は真の世界最強ですね」」 「兄貴、格好いい」 「まあな」 しかし、マカロン。俺はいつお前の兄貴になったんだ?
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