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図書室での出会い
1
虚空を仰いだ。いま夕立が突然降ってきたせいで。困った。傘持ってきてないよ。教室で皆騒いでいる。結構な人が忘れていたようだ。今日はしばらく教室に残ることになる、そう思った。
2
放課後私は図書室へと向かった。教室はうるさいし今日は誰かの機嫌を取る気分じゃなかったから人のこない墓場のようなここに来たのだ。なのに…先客がいた。
同じクラスの行崎 和桜(ゆくざきなお)だ。
「何してるの。」
「……本読んでるだけ。蒼咲さんこそ何してるの。」
「教室がうるさいからここに逃げ込んできたの。」
「……そうなんだ。」
会話が続かない。気詰まりになるのも嫌だし、やることが特に無い。そうだ。
あの続きを書こう。
授業中に書いた物語だ。この学校では授業中暇なときは基本私物語を書く。漫画を書いてノートを教師に見られたら一発だ。文字を書き込んでいれば教師にバレにくいからだ。ノートに鉛筆を走らせて物語を作るのは楽しい。あまり人に言えない物語であっても。
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