旅立ちの朝

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 そんな努力のかいあって、ぼくは目ざまし時計が鳴る、ほんの二秒前にとび起きた。  それに気づいたかのように、大あわてで鳴ろうとする目覚まし時計の頭をポンとたたく。  フッフッフ、うんともすんとも言わせないぞ。 「やった、ぼくの勝ち!」  窓から見える空は真っ青! 雲は真っ白! 天気はゼッコーチョーで本日は晴天なり!  気温は……うん、暑すぎも寒すぎもしないちょうど良い具合。  まさに行楽日和(こうらくびより)ってやつだね。    ふとんの中でひとつ伸びをしてから、ぼくは勢いよくベッドから起き上がる。  いつになくさわやかに目がさめた。  あと五分……なんてズルズル思わずにスッキリ起きられたことなんて、今までに何回あったっけ?  いつもは寝ぼけ(まなこ)で起きて、半分夢の中で朝ごはんを食べ、フニャフニャした声で「いってきます」を言うから、完全に目が覚めるのは学校に着いてから。  それにくらべて、今日のぼくときたら!  ある有名なゲームの主人公は旅立ちの朝、お母さんに起こしてもらっていたんだよね。  そう考えると、ぼくのほうが主人公にむいているんじゃないかな、なんて。
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