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「な、何で!?何で俺こんな……どうしたんだ、一体!」
勢い良くベッドから出る。幸いパンツは履いていたから、取り敢えず部屋の中を歩き回ってみた。
「う~ん……まったく記憶がない。はっ!もしかして俺、酔っ払って見知らぬ人の家に……?うわ~!」
俺はもうパニック状態になって部屋の真ん中で頭を抱えた。
「あ、起きた?」
その時部屋のドアが開いて誰かが入ってきた。俺は文字通り飛び上がって、ロボットみたいに首をギギギッと後ろに回した。……ん?でもこの声、どこかで聞いたような……
「晋太!」
「おはよー、仲本君。……ってどうしたの?」
「いってぇ……」
自分で出した声が頭に響く。一瞬立ち上がったがあまりの痛さにまたしゃがみ込んだ。心配そうな顔で近づいてきた晋太は、手に持っていたコーヒーカップを差し出してきた。
「あぁ、サンキュー」
そのままの姿勢で熱いコーヒーを飲むと大分落ち着いてきた。
「……で?」
「ん?」
「どうして俺がこんな格好でお前の部屋にいる訳?」
責め口調で晋太を睨みながら問い詰める。俺だって健全な男だ。男と、何だ……そういう関係になって取り乱さない方がおかしい。しかも相手が相手だし……
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