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「どうしてって……覚えてないの?」
「まったく。」
「そっかぁ……ショックだな、全然覚えてないのかぁ……」
「えっ!?何があったんだ、何が!ま、まさか……」
「……あはは!何その顔。必死過ぎでしょ。」
「へ?」
「昨日酔いつぶれた仲本君を僕がここに連れてきただけ。ほら僕、仲本君の家知らないし。」
つい今しがたまで俺が寝ていたベッドに腰かけると、何故か少し顔を曇らせた。そっか。今住んでる部屋の場所、こいつに教えてなかったっけ。
「じゃ、じゃあハダカなのは何で……?」
「自分で脱いだんじゃないの。『暑い~~!』って言って脱ぎ始めてそのままベッドで熟睡。だから僕はソファーで寝るしかなかったの。あ~あ、お陰で背中やら腰やら痛くて、痛くて……今日ドラム叩けるかなぁ~」
「ご、ごめん。悪かったよ……」
今度は逆に責められる立場になって俺は小さくなった。
「冗談だよ、冗談。からかっただけ。仲本君をからかうなんて滅多にないからちょっと調子に乗りました。」
「たくっ……!」
笑いながら頭を下げる晋太に力が抜ける。そのまま床にへたり込んだ。
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