第6話

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「違う」  一言つぶやかれた言葉と、自分を射抜くような強い眼差しに理宇は身体を竦めた。 「昔と今は、全然違う」 「……新?」  それはどういう意味なのか、考えようとするけどうまくいかない。  とにかく新から目が離せなくて、頭も身体も動かなかった。  ゆっくりと伸ばされた手が、そっと理宇の頬に触れる。  瞬間、鼓動がひときわ大きく鳴って、肩が小さく跳ねる。  親指の腹が頬骨の上辺りをなぞり、目尻に辿り着く。  理宇は何かを言おうとして、だけど声が出なかった。 「理宇」  少し掠れた声で名前を呼ばれると、心臓からじわりと熱が広がっていくのを感じた。  熱い。身体も、頭も熱くて、のぼせているみたいだ。  どうして新は、そんなに苦しそうな表情で自分を見るのか。 「理宇」  どうして、そんなに切ない声で名前を呼ぶのか。  知らない。  こんな新を、理宇は知らなかった。
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