715人が本棚に入れています
本棚に追加
「おはよう、理宇。珍しく早起きだね」
「お、俺だって、ちゃんと起きる時もあるんですー」
さっきまで見ていた夢の気まずさから、新の顔を直視できない。
「新も、いつもよりちょっと早くないか?」
新はいつも7時くらいに起きると聞いているが、壁掛け時計の時刻は、まだ6時にもなっていない。
「うん、なんか早く目が覚めたから、ちょっとランニングしてこようかと思って」
「うわー、さすが元陸上部」
「理宇も一緒に走る?」
「絶対無理」
寝起きで運動なんて考えられない。付け加えるなら、運動自体好んでしたいと思えないタチだ。
即答する理宇に、新は端から答えはわかっていたという風に笑う。
最初のコメントを投稿しよう!