第7話

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「おはよう、理宇。珍しく早起きだね」 「お、俺だって、ちゃんと起きる時もあるんですー」  さっきまで見ていた夢の気まずさから、新の顔を直視できない。 「新も、いつもよりちょっと早くないか?」  新はいつも7時くらいに起きると聞いているが、壁掛け時計の時刻は、まだ6時にもなっていない。 「うん、なんか早く目が覚めたから、ちょっとランニングしてこようかと思って」 「うわー、さすが元陸上部」 「理宇も一緒に走る?」 「絶対無理」  寝起きで運動なんて考えられない。付け加えるなら、運動自体好んでしたいと思えないタチだ。  即答する理宇に、新は端から答えはわかっていたという風に笑う。
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