第7話

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 それなのに。昨夜の夢はやけに生々しくて、触れた新の感触や温度も肌に残っているような錯覚さえする。 ――このまま目を閉じてたら、どうなるかわかってるんでしょ?  実際に聞いたことはないはずの新のセリフが、脳内で再生される。 (目を閉じてたら、どうなっちゃうっていうんだよ!?)  決して知ることはできない夢の続きが気になって仕方ない。  新になら何されてもいいし、……むしろしてほしい。  そんなことを思ってしまう自分の変態さに、隣でトーストをかじる新に対して罪悪感がわいた。 (けど、触られたのは……現実なんだよな)  それは今朝ではなく、約一週間前の裸事件の直後の出来事だ。  強い視線に動けなくなった理宇の頬に、そっと触れてきた指先と、呟かれた言葉。 ――昔と今は、全然違う。  苦しそうに、まるで理宇に助けを求めるようだった新の表情。  あの夜の出来事は、理宇の脳裏に焼き付いて、ぐるぐると回り続けている。
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