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「うっわ……爆イケ過ぎて惚れぼれするわ……俺センスあり過ぎじゃない?」
美容師の軽口に、おもいきり本音をまぎれこませて、セット完了した新を鏡越しに見つめる。直視したら絶対新の目を見られないからの鏡越しだ。
耳周りがすっきりして清潔感ばっちりなのに、ふわっと流したことによってナチュラル感と優しい雰囲気が滲み、ツヤ感で大人の余裕と色気が漂う。
「うん、さすが理宇。これで今日はいつも以上に頑張れそう」
不意に振り向いた新と目が合う。
(…………あ)
膝立ちになっているせいで理宇を見上げる形になった新の瞳は、まるで星が輝いているようにキラキラしていた。本当に嬉しそうに笑う顔に、理宇は身動きする自由も、思考も奪われる。
ただただ目の前の存在が、可愛くて、かっこよくて、どうしようもなく愛しいと思った。
「…………好き」
理宇が放心したように呟くと、新の顔から表情が消える。
「……理宇?」
困惑したような新の声で、理宇はようやく正気付いた。
(え、やば、今俺……声出てた?)
目を丸くした新の顔が無言の返答をよこす。
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