715人が本棚に入れています
本棚に追加
第8話
管理会社から理宇のスマホに着信があったのは、スタッフルームでコンビニのパスタを食べようとしたまさにその時だった。
『長らくご迷惑をお掛けして大変申し訳ございません。工事の目途がつきまして、来週の25日、金曜日にはお部屋にお戻りいただけます。保障や弁償につきましては、別途書面を送付させていただき、また改めてご連絡差し上げます』
担当者の丁寧な謝罪と案内に礼を伝えて、通話を切った。
(そっか、もう終わりなのか)
最初は、新の部屋で一緒に暮らすなんて、絶対心臓がもたないと思っていた。
ドキドキしまくりで、胸が苦しいこともしょっちゅうあったけど、それ以上に傍にいられる時間は幸せで、居心地が良かった。
もっと一緒にいたいとも思うし、寂しいけど、ほっとする気持ちもあった。
最初のコメントを投稿しよう!