第8話

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第8話

 管理会社から理宇のスマホに着信があったのは、スタッフルームでコンビニのパスタを食べようとしたまさにその時だった。 『長らくご迷惑をお掛けして大変申し訳ございません。工事の目途がつきまして、来週の25日、金曜日にはお部屋にお戻りいただけます。保障や弁償につきましては、別途書面を送付させていただき、また改めてご連絡差し上げます』  担当者の丁寧な謝罪と案内に礼を伝えて、通話を切った。 (そっか、もう終わりなのか)  最初は、新の部屋で一緒に暮らすなんて、絶対心臓がもたないと思っていた。  ドキドキしまくりで、胸が苦しいこともしょっちゅうあったけど、それ以上に傍にいられる時間は幸せで、居心地が良かった。  もっと一緒にいたいとも思うし、寂しいけど、ほっとする気持ちもあった。
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