第8話

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 足を伸ばしてやってきたのは、品質と品ぞろえを売りにしている、ちょっとだけお高めのスーパー。入口付近には、新鮮な野菜が並んでいて、初めて見るような珍しいものも置いてあった。 「あ、俺、魚のカルパッチョ的なやつも食いたいな。作るの簡単そうだし」 「サーモン?」  新が理宇の一番好きな魚をすかさず答える。 「サーモンも捨てがたいけど、白身魚にしよ。鯛は旬じゃないんだっけ? 今って何が美味しいんだろ」  理宇も理宇で、即座に新の好物を提案した。 「理宇の好きなのでいいのに」 「いいんだって。白身魚食べたい気分だし」  遠慮する新に、理宇は押し切って決めてしまう。 「じゃあ玉ねぎいるよな。あとなんか葉っぱ系のやつ」  野菜売り場をぐるぐるして、玉ねぎ一玉と、ベビーリーフをかごに投入した。  おしゃれな総菜売り場でポテトサラダ、乳製品のコーナーでカマンベールチーズが加った後、酒売り場に辿り着く。
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