第8話

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「びっくりした、いつもと全然違うから」 「ジム帰りやねん。ってか、びっくりしたんはこっちやわ。やたらキラキラした若者がおるなと思ったら、隣にピンクちゃんおって」  そう言って雪哉は、ちらりと新に視線を向ける。 「うん……ちょっと買い物に」  雪哉の口元がニンマリと笑みを形作ったのに気づいて、理宇は居た堪れない気持ちになる。 「部屋泊めてもろてるて言うてたもんな。家この辺なんや。ご近所さんやん」 「理宇」  新が「この人は?」と視線で問い掛けてくる。 「えっと、この人はいつも行ってるバーのマスターの雪哉くん」  ありのまま紹介したら、なぜか雪哉が顔をしかめて、口パクで「あほう」と言ったように見えた。 (え、なに、なんで?)  アイコンタクトで雪哉に尋ねるが、どこか呆れた顔で笑っているだけだった。  その間にきちんと雪哉に向き直った新が、ぺこりと頭を下げる。
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