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「びっくりした、いつもと全然違うから」
「ジム帰りやねん。ってか、びっくりしたんはこっちやわ。やたらキラキラした若者がおるなと思ったら、隣にピンクちゃんおって」
そう言って雪哉は、ちらりと新に視線を向ける。
「うん……ちょっと買い物に」
雪哉の口元がニンマリと笑みを形作ったのに気づいて、理宇は居た堪れない気持ちになる。
「部屋泊めてもろてるて言うてたもんな。家この辺なんや。ご近所さんやん」
「理宇」
新が「この人は?」と視線で問い掛けてくる。
「えっと、この人はいつも行ってるバーのマスターの雪哉くん」
ありのまま紹介したら、なぜか雪哉が顔をしかめて、口パクで「あほう」と言ったように見えた。
(え、なに、なんで?)
アイコンタクトで雪哉に尋ねるが、どこか呆れた顔で笑っているだけだった。
その間にきちんと雪哉に向き直った新が、ぺこりと頭を下げる。
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