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「初めまして、倉木といいます」
「ご丁寧におおきに。ピンクちゃんからすごい男前の幼なじみおるって聞いてたから、自分がそうやってすぐわかったわ」
当たり障りのない程度の内容で話してくれる雪哉に安心したのも束の間、続けられた新の質問に理宇は凍った。
「理宇、外で俺のこと話したりしてるの?」
ヒッと声が出そうになるのをどうにか留めた。
話すも何も、雪哉の店に行ったら9割新のことしか喋らない。好き過ぎて死にそうとか、かっこよすぎて爆発しそうとか……延々と。
「そらこんなに男前の幼なじみおったら、自慢したくなるわなぁ。会って納得やわ」
「っ!」
(ありがとう、雪哉くん!)
雪哉からのフォローに、理宇は感謝の眼差しを送りながら口を開く。
「でしょ? 新はほんとに、どこに出しても恥ずかしくない自慢の弟だから」
出された助け船に乗っかり、全力で兄バカアピールをした。やましいことは何もないのだとでもいう風に。
(ごめんな、新。ほんとは髪切ってるときの襟足のラインが色っぽくて過呼吸を起こしそうとか、兄失格の話ばっかしまくってるけど!)
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