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「まあ若干どっちがお兄ちゃんかわからへんけどな」
「……童顔気にしてるのに」
「見た目だけちゃうやろ。ピンクちゃん色々抜けてるからなぁ」
「追い打ちかけるのやめてもらえませんかねぇ」
苦笑いで抗議する理宇に、「否定はせんのや」と雪哉が笑う。
「そういえば、お酒選んでるとこやったん?」
「うん。ちょっと良い肉買って、飲もうかなって」
「へえ、なんかのお祝い?」
理宇は静かに首を振る。それは問い掛けに対しての答えであり、雪哉の含みのある微笑みに対してでもあった。
雪哉が期待するようなことなど、これっぽっちもないし、起こるわけがないのだ。
「新の部屋に居候させてもらうの来週までだから、なんかこう最後にぱーっと、みたいな」
「ああ、そうなんや」
「せっかくだしワインとかにしようかなって思ってたんだけど、俺も新もさっぱりで」
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