第8話

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「まあ若干どっちがお兄ちゃんかわからへんけどな」 「……童顔気にしてるのに」 「見た目だけちゃうやろ。ピンクちゃん色々抜けてるからなぁ」 「追い打ちかけるのやめてもらえませんかねぇ」  苦笑いで抗議する理宇に、「否定はせんのや」と雪哉が笑う。 「そういえば、お酒選んでるとこやったん?」 「うん。ちょっと良い肉買って、飲もうかなって」 「へえ、なんかのお祝い?」  理宇は静かに首を振る。それは問い掛けに対しての答えであり、雪哉の含みのある微笑みに対してでもあった。  雪哉が期待するようなことなど、これっぽっちもないし、起こるわけがないのだ。 「新の部屋に居候させてもらうの来週までだから、なんかこう最後にぱーっと、みたいな」 「ああ、そうなんや」 「せっかくだしワインとかにしようかなって思ってたんだけど、俺も新もさっぱりで」
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