第8話

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「万が一飲めへんかった時のためにトマトジュースも買っとき」 「え、トマトジュースで割るの?」 「これが意外とイケるんよ。ピンクちゃんも好きな味やと思うで」 「へえ、やってみよ」  ワインボトルを、新が持つカゴの中に入れる。  先ほどから、自分と雪哉ばかりが話している状況が気になって、新に話を振った。 「ワインとトマトジュースとか想像つかないよな」 「そうだね」 「でも雪哉くんが美味いっていうんだったら、まず間違いないから。……あ、雪哉くん、前にお店で作ってくれたコーヒーのって何を割ったんだっけ?」 「あれは芋焼酎やね。ピンクちゃん弱いくせに美味い美味い言うて飲み過ぎて、結局潰れたやつな」 「そこまで言わなくていいってば。でもほんと、雪哉くんの作るお酒ってめちゃくちゃ美味くてさ。いつもつい飲み過ぎちゃうんだよな」  理宇がそう口にした瞬間、なぜか雪哉が「あちゃー」という顔をした。  その意味を理宇が雪哉に問うより先に、新が教えてくれる。
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