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「うっわ、美味そう。なんかキラキラしてるな」
盛り付けられたステーキを見ていると、一気に空腹感が押し寄せる。軽く焼いたバケットと一緒にテーブルに並べて、冷蔵庫からカルパッチョとワインを取り出した。
「いただきます」
そろって手を合わせたあと、2人が一番に噛り付いたのは当然ステーキだった。
噛みしめた瞬間、理宇はかっと目を見開く。
表面は香ばしく、中は柔らかい。程よい弾力を噛むたびに、旨味がじゅわっと口内に広がる。
「うー!」
言葉にならない美味しさを表現する理宇の隣りで、新も目を大きく開いて頷く。
「うんま。こんな美味しい肉初めてかも」
ようやく衝撃が落ち着いたあと、理宇はほうっと充足の息を吐いた。
「すごくジューシーだね」
「焼き加減の勝利だな」
「いい肉だからだよ」
「いやぁ、俺が焼いてたら、せっかくのいい肉ダメにしてたかもだし。そういうとこズボラさが出ちゃうんだよなぁ」
言いながら、極上肉をまた一切れフォークに差し、口の中に運ぶ。
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