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冷蔵庫の冷気とは無関係に手足が冷たくなる。
今記憶を辿ってもすぐには思い浮かばないくらいには、新は普段から怒らないのだ。
(許してくれなかったら、どうしよう)
新に限ってそんなことはないと思いつつも、経験がないからわからない。
新に嫌われたら、理宇は冗談でなく生きていけない。
(もっかいちゃんと謝ろう)
頬を両手で叩いてからトマトジュースに手を伸ばす。
「……ぅ、おっと」
踵を返すと、一瞬バランス感覚を失って身体が大きく傾ぐ。酔いのせいで、床が何か柔らかいものでできているように感じられた。
キッチンまではやや慎重に歩いたのに、リビングに戻って新の姿が視界に入った瞬間、緊張で早足になる。
「新、あの……」
呼びかけに新が顔を上げた瞬間、理宇の足がもつれてつんのめった。
「……っ」
咄嗟にスチール缶を手放して、ソファの背もたれに手を突いた。だけど勢いを殺せず、新に覆いかぶさるように倒れ込んでしまう。
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