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修学旅行土産のグラスを、ずっと宝物のように使ってくれていた。それが新のために作られたものだと知ったら、とびきり嬉しそうに笑ってくれた。
どんな些細なことでもいいから、理宇の話をすべて聞きたいと言ってくれた。
裸を見せるのなんて今さらだと流そうとした理宇を、昔と今は違うと否定した。
苦しそうな顔で、切ないような声で名前を呼んで、理宇に触れた。
縋るように抱きしめて、理宇以外にはこんな真似はしないと、ちゃんと言っていた。
これまでの色んな新が浮かんで、胸が熱くて、締め付けられるみたいだ。
『理宇のことが好きなんだ、ずっと』
衝撃が強くて、心がついていかなくて、脳が無意識に思い返すことを拒んでいた場面を、ぎゅっと目を閉じて再生する。
(ずっとって、いつから?)
『もう気持ちが抑えられなくて』
(ずっと、我慢してた?)
『一度でいいから……少しでいいから、俺のこと、そういう風に考えみてほしい』
(あの時、新の手も、声も、震えてた。……今にも泣きそうな顔してた)
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