第2話

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「理宇、どうかした? 具合悪い?」  羞恥心や自己嫌悪で歪めていた顔を、新が覗き込む。 「あ……」  心配そうな眼差しに、罪悪感が疼いて仕方ない。  新の顔をまともに見られなかった。  穢れを知らない新を、汚してしまったような気がした。 「いや、ごめん。平気、なんでもない」  ぐちゃぐちゃの内心を隠すように笑ったけど、上手にできていなかったのか、新の顔は納得した風には見えない。 「早く帰ろう。今日気温高いし、熱中症かもしれない」  掴んだままだった理宇の腕を引いて新が歩き出す。  大丈夫だから手を離してくれと言いかけて、理宇は唇を閉ざした。  離してほしくないと思った。  手首に触れる指から、新の体温が伝わる。  自分でもよくわからないけど、泣き出してしまいそうになった。  胸が痛くて、寂しくて、苦しい。  筋肉がつき始めた新の背中に、抱きつきたくてたまらなくなる。  新が好きだ。  今でも十分特別な存在なのに、もっと近い場所にいきたくなる。
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