714人が本棚に入れています
本棚に追加
◇ ◇ ◇
自宅に帰り着いたら、長距離を歩いたせいか強い疲労を感じて、ベッドに直行して寝転んだ。
今日はそれほど日差しはきつくはなかったが、気温はそれなりに高かった。
汗もかいたし、シャワーを浴びて着替えたい。
そういえば、朝から水分しかとってないから、さすがに何か腹に入れないと。
そんな思考が疲労感と億劫さに塗りつぶされていく。
手探りでシーツの上に放り出していたリモコンを掴んで、エアコンの電源を入れる。
微かな稼働音を聞いているうちにいつの間にか眠りに落ちていて、気が付いた時には室内は真っ暗になっていた。
(今、なんじ?)
ぼんやりとした思考のまま、のろのろと身体を起こした時、ワイドパンツのポケットに入れっぱなしにしていたスマホが振動する。
ドキッとして肩が跳ねた。やや緊張しながら端末を取り出す。
振動の正体はメッセージアプリの着信を知らせるもので、理宇は画面に記された名前を凝視した。
最初の一行だけが表示されメッセージの冒頭には、「ごめん」と書いてある。
中身を見るのが怖いという気持ちをどうにか押しやって、は通知のポップアップに指で触れた。
最初のコメントを投稿しよう!