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今までの経験にないこと。
これまで望んではダメだと戒めていたもの。
新との関係が変わっていく瞬間。
そんなものと直面したら、自分でも情けないくらいビビってしまった。
こんな自分の弱さで、新を傷付けたくない。
それに理宇自身、恐怖や不安の向こうに、もっと新と触れ合いたい気持ちがあるのを感じる。
理宇を怖がらせないように、さりげなく離れようとする新に、理宇は離れないようにしがみついた。
「ほんとに嫌じゃない、から。……だから、怖くなくなるまで……いっぱいして」
縋るように見上げて懇願する。
新は目を見開いたあと、切なげに顔をしかめた。
(あぁ、新はほんとに俺のことめちゃくちゃ好きなんだ)
自分の感情を持て余すような、苦しそうな表情に、理宇の胸はどうしようもなく高鳴る。
自ら催促するように新の首に腕をからませると、すぐに新が顔を寄せてきた。
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