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「っ、……ン……ッ」
さっきより強く吸われて、予期せぬ声が漏れた。
上唇と下唇を交互に食まれているうちに、互いの唇がしめっていく。
輪郭を確かめるように舌でなぞられた瞬間は、びっくりして反射的に身体をひいたが、背に回った新の腕が離れることを許さなかった。
唇の内側の際どい部分を舐められると、背中がぞわぞわした。不快ではないのに鳥肌が立って、身体が熱くなっていく。気付けば指先の震えも止まっていた。
(頭、ぼーっとしてきた)
表面が吐息と唾液で潤うと、摩擦が減って感触が変わる。
新が吸ったり舐めたりするたび、ぴちゃ、くちゅっと生々しい音が立ち、理宇を煽った。
仕上げのように強めに上唇に吸い付いたあと、新が唇を離す。
そっと目を開くと、新がゼロ距離で見つめていた。
「まだ怖い?」
「怖く、ない……けど、俺多分今、絶対変な顔してる気がするから、恥ずかしい」
「変な顔?」
「だってなんか……背中ぞくぞくして、顔、熱い」
新にこんな距離で見つめられているだけでも、心臓が壊れそうに鳴っている。
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