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食後は理宇が先にシャワーを浴びた。
下着はコンビニで買ったけど、シャツとハーフパンツは新のものを借りた。サイズが合っていないシャツに袖を通すと、初めて新の部屋に泊まった時のことを思い出す。
「シャワーお先。シャツとかありがとな」
バスタオルで髪を拭いながらリビングに戻る。
ソファに座る新の正面に立つと、新は数秒理宇を凝視したあと、顔を背けて「うん」と答えた。
「ん、何? どっか変?」
「変、とかじゃなくて」
新は理宇を見ないまま、珍しくもごもごと言いよどむ。
「俺のシャツ着てる理宇、やっぱり可愛いなって思って」
少し赤くなった顔で、視線だけを理宇に向ける。
可愛いという言葉に、理宇もまた顔を火照らせた。
「そういうフェチみたいなの自分にはないって思ってたけど、この間理宇が俺の服着てた時、すごく可愛くてドキドキして……ごめん、直視できない」
シャワー直後の理宇はさておき、新は首筋までうっすら赤い。本気で動揺しているのが伝わってきて、理宇も落ち着かなくなる。
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