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「ちゃんと見ろよな……お前のなんだから」
照れ合っている空気に身の置き所がなくて、理宇はあえてそんなことを口にした。更には横に向いたままだった新の顔を掴んで正面に向けさせる。
だけど新と目が合うと、すぐに自分の言動が猛烈に恥ずかしくなった。それでも、ここで引いた方が余計恥ずかしいと感じて、強張った唇を動かす。
「お前のって、服がってことじゃないからな。その中身の話で……」
涙目になりながら早口で付け足している途中に、新が理宇の腹辺りに顔を埋めて抱き着いてくる。
「理宇は、俺のなの?」
「……うん」
「じゃあ俺は理宇のだね」
嬉しそうに笑いながら、甘えるみたいに額をこすりつけてくる仕草に、理宇は新を抱きしめた。
(なんなのもう、可愛すぎてヤバいんだけど)
心も身体も全部差し出しても足りないほど、新が愛しくてたまらなかった。
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